「な...なんで....なんで私が....」
「....ど、どうしましょうか....他に誰か怪しい人を見かけたとかは?...」
美智の問いに答える者はいなかった。この処刑会談で提出される材料は全て揃ったのを意味していた。
誰を処刑にすべきか、美智は決めれないのかチラチラと真の方を見ている。それに応じて真は口を開こうとするが、既の所で菅が声を上げた。
「今容疑者に入ってる真に決定権を間違ってるぞ委員長。個人の感情だけで動くなんて、皆を指揮する立場としては失格だぞ?」
冷静に棘のある発言をされ、流石に応えたのか美智は縮こまって口を塞いだ。
"ビーッ!ビーッ!ビーッ!
会談終了まで残り一分です"
アナウンスが部屋に鳴り響くと、私はぐわっと腹の底から何かが込み上がる感覚に襲われる。全員私と似たような感じなのか、誰もが焦りの色を隠せずにいた。
「....不本意だがランダムしかない。黒側に投票合わせられる可能性もあるが、情報を整理して答えを出す時間が無い。各々の判断に任せる。吊られても文句なしだ。」
菅は眉間に皺を寄せながらボソッと呟くように発言した。それに対して、全員渋々承諾していた。
私は何かしら言おうとした。玲美に投票が向けられない何かを。


