黒の命令で...だけど、武器庫の前に立って人殺しの道具を調達なんて僕には出来なかった。蓮とは黒カーテンを隠してから会った。持ってく前じゃなくて良かったよ....」
淡々と話をするが、聞き手である私達はカミングアウトが衝撃的すぎて全くついていけなかった。
目を丸くしつつも、なんとか美智は対応してくれていた。
「な、何故カミングアウトを....」
「言っただろ?死にたくないんだよ...敗北しても命は助かるんだ。だから....皆のために死んでくれよ....七愛海さん....」
新たに出た容疑者人物、これまで疑惑の目をかけられたことの無い彼女に一気に目線は集まる。山田に撃たれた傷がまだ痛いのか、右肩を抑えながら呆気にとられていた。
「え?え?わ、私?何で!私は黒じゃない!白だよ!?」
「いい加減にしてくれよ!人殺してまで生き残ろうなんてさ!このままじゃ僕は吊られる....君が吊られればここにいる全員が助かるんだよ!?」
「意味分からないよ!私は白なの!!こんなのハッタリだから!皆信じてよ!私は黒じゃないよ!!」
七愛海は半泣きになりながらも私達に悲痛の声を浴びせるが、それをまともに受けた人はこの場に一人もいなかった。全員が七愛海に疑いの目を向けていた。


