二人きりになったら名前呼び、それはただの憶測だった。その現場を見ても聞いてもない。保健室で美智が名前呼びしたことを予測で膨らませたので、当たってるかどうか不安だったが見事的中していた。
「これは処刑されない為、全体を動かす指揮官を味方に引き入れること。いずれ美智さんにも殺しの手伝いでもさせてもらうんじゃないの?よく言うじゃん、"恋は盲目"って。」
「ば、馬鹿な!そんなわけない!妄想膨らませるのもいい加減にしろ!美智さん、騙されないでくれ!!」
「妄想膨らませるのはあんたの十八番でしょ!!そのせいで純が死んで、私を追い詰めてるんだからあんたがとやかく言える筋合いはない!!
美智さん、目を覚まして。辛いことだろうけど、真は美智さんを利用することしか....」
「わ、私は...私は........」
美智は頭を抱えながら縮こまった。信じたくないが納得してしまう、そんな苦痛のような考えが美智を支配していると感じる。美智が出す答えで私か真、どちらかが消えることになる可能性が高かった。
だが、私は心の中では僅かながら余裕を感じられた。後から主張したおかげで、皆の頭には私の意見が真よりも深く刺さっているはずだった。
美智が真を信じても、最悪反論してくれる人が出てくるかもしれない。


