山田は上に向かって二発撃つと、ニヤッと不敵に笑った。


「騒ぎたいのは分かりますが、うるさいので黙ってもらいます?月見 武藤くんのように朝食の玉子焼きをビチャビチャ吐いてもらうのは構いませんがね...」


私はいつの間にか涙を流していた。だがそれは先生が死んで悲しいのではなかった。今まで感じたことも無い凄い恐怖に私の心はやられていた。
恐怖すると身体が震え上がるというのを初めて実感した。震えが止まらず、呼吸はしずらい、何かを思っても混乱という渦に巻き込まれて何も考えれない。

なんで....楽しい修学旅行の筈が...なんでこんなことに....

私のそんな気持ちを馬鹿にするように山田はニコッと笑った。その笑いは私達にとっては皮肉でしか無かった。


「さて...じゃあ本題へ行きましょうか。
改めまして皆さんこんにちは。これから皆さんにはあるゲームをしてもらいます。尚、分かる通り命の保障はいたしません。ゲームクリア目指してクラス一丸となって頑張って下さい。」


山田は意気揚々と喋る。誰も非難の声を上げられなかった。

そしてこれからの数日間、私はこれ以上の地獄を見るとは想像していなかった。