元道が不思議そうに待っているおかげで熱が引いてくると、私はある事を思い笑った。


「....ぷっ...フフ...私は何で自分が悪くないのかって聞いたのに、元道君の言い分だと否定全然出来てないよ?寧ろ肯定してる。」


私の発言に何テンポか遅れて元道はそれに気付いたのか、頭をかじりながら焦っていた。


「あっ!わ、わりぃ!ちょっと待っててくれ!今考えるから。」


「フフッ....いいよ、大丈夫。その答えは出ないよ。私が悪くないわけが無い。いくら元道君が説得しようとしても、私自身が許さない。
...だけど、今の元道君の言葉。とっても心に響いたよ。大分身体がスっとした感じがする。
ありがとう、元道君。」


私はニコッと微笑みかけると、元道は赤面しながらニヤニヤと嬉しそうだった。


「そ、そうか?そんな....俺はただ思ったことを言っただけで...ま、また何か困ったことあったらいつでも相談してくれよな?その....俺、絶対に杏さんの力になるからさ!」


気分が良かった、まるで日向ぼっこしているかのような温かさが私の心を満たしていた。
だが、たった今の元道の言葉で私の心はすぐに黒に染った。
そしてそれに抵抗することも無く、私は元道と同じく、今思っていることをそのまま口に出した。


「...元道君、それじゃあさ....」


そこで私の言葉は止まる。