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時刻零時。

一人の人物が薄暗い廊下を歩いていた。自分の足音が廊下に響くのを聞き、上機嫌に鼻歌を口ずさんである部屋へと向かっていた。


自分の予想以上の出来事にその人物はご機嫌だった。一日目からにして大きな進歩を得られ、その祝福でパーティーすらも開きたい気分だった。


そんなことを思っていると、ふと押し寄せてくる殺意の波動。頭に色んな情景、妄想が膨らむ。
人の首筋を見るだけで、舌を垂れ流し、弱まっていく顔になるまで締め付けたい。
お腹を見ると、銀色の刃物で何度も穴を開けたくなる。
笑顔を見ると、それを恐怖に染めあげたくなる。

人物はそんなことを考えるだけでニヤッと笑うが、すぐに口を隠した。
狂気の薬、それによる効果は理解していた。常人ならどこか落ち着かないのを隠そうとしても見え隠れする。だが、普段から仮面を被っている人物にとって、一日一殺すれば自制心で制御できる。


大丈夫....大丈夫...いつものように仮面をつければバレない....やる...やれる....


そう自分に言い聞かせながら、その人物は目的の部屋、小道具部屋へ訪れた。
小道具部屋とは、例えるなら小さいホームセンターのような部屋だった。