「待ってろ!!早くここから出してやるッ!!だから頑張れ純!
くっそ!!ふざけんな!!さっさと開けやゴラァァ!!!」


私達は何度もガラスケースを開けようとした。だが、ガラスケースは相変わらず微動だにせず、ただ時間が過ぎていく。

ガラスケースに対する私達の攻撃が止まったのは、ガラスケースの中の上から透明の水が流れてきたのを見た時だった。

水はガラスケースの天井にある金属のボツボツからシャワーで中を洗い流していた。


内側に染まっていた赤いものがシャワーによって洗い流される。中の状況が徐々に顕になり、私はそれを見ることしか出来なかった。



中には真っ白になって瞳孔が開ききっている純が座り込んでいた。
首からはチョロチョロと血がまだ流れていて、舌をだらしなく垂らし、ピクリとも動かいていなかった。



「じ.......じゅ....ん....はぁ...はぁ....じゅ..............ん...........」


私は押し寄せてくる絶望に耐えきれなくその場で倒れ込んでしまった。息が出来なく、心臓が止まってしまうかのような衝撃を感じる。

視界が白くなり、周りで声をかけてくれるのは感じるが何を言っているのか聞き取れない。
瞼は閉じていき、それを妨げる抵抗力すら私にはなかった。


そこで私の意識はふっと消えるかのように途切れたのだった。