ぎゅん。



心臓がもっていかれた気がした……。



海原くん、寝癖ついてますよ。



「うみは……」



「おい海原、寝癖ー!」



お調子者の男子が近づいてきて、海原くんの髪をなでて直す。



「……あっ」



一瞬眉を下げて、ドキッとした顔を浮かべる彼。



わっ、ご馳走様です。塩でも七味でも美味しいです。幸せ。



あわよくばふわっふわの黒髪を私もなでたかったなぁ、なんて。



「……ありがと」



照れたように目をふせ……お礼を言った。



「はあっ!」



男子が胸に手を当て、ときめいたふうをみせる。



「あぁぁわかるぅぅう」



「……」



「そんな冷たくみないで!」



……でも、視界にはいれたってことが嬉しかったりもする。



塩対応だって、必要だと思うんだ。塩は、生きるために必要だから。