「そういえば、あの奥に非常退路ありますね。化学実験室に繋がってるんですか?」
「うん。」
「知らなかった。ちょっと気味が悪いですね。」
「今でも朝イチで実験室開けると、あそこの非常口から誰か隣に出て行く音が聞こえたり、夜、隣から工具を借りに来たりするんだってさ。」
「え、、天野さんも、その、、見た事があるんですか?」
「見た事はないんだけど、あの辺、誰もいない筈なのに、人の気配がすることあるよね。」
「。。。。。」
「咲ちゃん知ってるのかな。」
今更そんなことを知らされても、僕達にはもうどうしようもない。
「知らないと思いますよ。多分。僕も知らなかったし。」
 小柴先輩やリーダーは知っていたのだろうか。いや、知っていても気にするような人達じゃないか。咲さんはいずれ知ってしまうんじゃないだろうか。大丈夫かな。。