凪も呆然としていて混乱している様だった
「凪は…」
「…え?」
「凪は……いなくならない……よね……?」
絞り出した声は震えていて凪が聞こえていたか分からなかった
「凪………私から離れて行かないで……おねがい」
「……」
凪は静かに私のとこまで来て手を握ってくれた
こんな私のわがままを聞いてくれた凪はそれから登下校で一緒に帰ってくれたり
中学生になって部活で帰る時間が違くなってもなるべく一緒に帰ってくれた
私の家は事件が起きたとして取り壊され祖父母は一緒に生活しようと言ってくれたけど
凪や友達と離れるのは嫌だったため週に1回お互いの祖父母が見に来るのと食料品などを届けるのを条件に凪の家に住むことになった
小学生で急に親を失い学費などは祖父母が出してくれるとはいえ家事をするのはとても大変だった
でも凪がそばにいて一緒に生活していくと両親を失った悲しみは消えないけども元々家族愛だったものが恋に変わっていくのを感じた
中学生は男女でずっと一緒にいると冷やかして来るもので
「なぁお前ら付き合ってんの?」
「あー!それ私も気になってた!」
「おれもー」
部活が終わり一緒に帰っていた所を友達らに話しかけられ私はそうでありたかったけどなーと思っていると
「…そうだよ」
「え!」
私が声を発するよりも前に友達が声を上げた
この子は凪のことが好きだったのかななんて思っていると凪に腕を引かれ
「じゃあそういう事だからあまりちょっかい出してこないでね」
そのまま歩き出した
腕を掴まれてる私も歩くしかなくて友達から離れた所で私は聞いてみた
「さっきなんで付き合ってるって嘘ついたの?」
中学生になってすぐに身長が伸びた凪を見るには少し見上げることになる
見上げた所で前を歩く凪の顔は見えないけども
「…俺達の家の事とか突っ込んで欲しくなかったから」
「そっか」
胸が傷んだ

