「りつちゃん。少しお話聞いてもいいかな」


「……あ…はい」

不意に警察の方から声をかけられぼーっとしていた私は反応が遅れた





警察の方に連れられて入った部屋には凪もいて
お互いの両親の亡骸を一緒に発見したとして事情聴取を1時間くらいされ警察の方は帰っていった






部屋に残された私達はどうすることも出来ず座ったままでいた





そろそろ祖父母の所へ戻ろうかと思った時




「さっきちょっと聞いちゃったんだけどさー」






部屋の近くへ看護師さんか誰かが近づいて来ているようだった


立ち上がるタイミングを失った私はそのまま部屋を通り過ぎるのを待つことにした



きっと今部屋から出ていけば鉢合わせになり両親を失った可哀想な子として対応されるだろう



泣きすぎて目は真っ赤ででももう涙も出てこなくてきっと今そういう対応をされたら辛くて現実から逃げたくなる





「ほら亡くなった4人いるじゃない?」






反射的に部屋の外へ耳を傾けた



凪も同じく部屋の扉へ視線を向けていた





「あの4人って昔からの知り合いだったらしくて家も隣ですごく仲が良かったんですって」

「あらそうなの?だから4人で集まっていた所を殺されてしまったのね…」





「いや……それがね










心中だったんじゃないかって」












「…………え」










口から零れたその声は私だったのか凪だったのか分からなかった






あの4人が心中?

する理由がない








「凶器も見つかってないし玄関の鍵は開いてたらしいけどかけ忘れかもしれない

それに争った形跡がないらしいの

4人一緒にいたっぽいし4対1じゃ負ける確率も低いじゃない」













気づくと声は聞こえなくなっていてただ呆然と扉を見ていた