「もうこんな時間かーお母さんご飯作って待ってるよね」

昇降口で靴に履き替えていると

「りつ」



「あ、凪どうしたの?」

クラブも違うのでわざわざ一緒に帰る約束をしていない凪が私を待っているのはとても珍しい事で


大体こういう時はどちらかの家でご飯を食べることになった時なのでもしかしてそうなのかな


「もしかして夜ご飯凪の家?」


「そう」


「分かったーじゃあ一緒に帰ろうか」




別に凪とは仲が悪い訳じゃないけど良くもない


まだ幼稚園に通う前はお互い他の友達もいなく一緒に遊んでいたけど幼稚園に通うようになると他に仲のいい友達が出来て

必要以上に話さなくなった



でも凪と一緒にいる時間は割と好きでお互いにあまり話す方ではないけども安心感はあった



学校で起こったことなどを話しながら歩いているとあっという間に私達の家の目の前まで来ていた



「ただいま」
「お邪魔します」





















「返事がないね」
「この時間だったらお母さんご飯作ってるはずなんだけどな」



不思議に思いながら家に上がってリビングへ向かうと





「誰もいないね」
「買い物に行ったとしても置き手紙とか置いていくよな」






どうする事も出来ないのでとりあえず私の家に行き固定電話に登録されている私のお母さんに連絡してみることにした


凪の家の固定電話には凪の両親は登録されていないので一緒に私の家へ向かった


家に入ろうと思い鍵を差すと鍵はかかっておらずお母さんがかけ忘れたのかなと思いながら玄関の扉を開けると




「「え」」




そこには凪のお母さんとお父さんの靴があった




そもそも今日凪の家でご飯を食べることになったのは私の両親の帰りが遅くなるから





だからそれを知ってる凪の両親が私の家を訪ねるのはおかしい



ということは私の両親がまだ仕事に行っていない時に2人は来たことになる





それじゃあなんで今ここにあるのだろう








凪も同じことを考えていたようで

「いくら仲がいいからってお互いの家の鍵とか持ってないよな?」

「た、たぶん?」



「とりあえず家入ろうぜ」

「そうだね。何かあったのかもしれないしね」








私はきっとこれから先この後見た光景を忘れることは出来ない