生簀の恋は青い空を知っているか。


何故いま洗濯機の話が?

ふと、本来洗濯機が置かれる為にできた空間に目をやる。ここに来たからだろうか。

「でも洗濯機買っても、浅黄さんは使わないんじゃないですか?」
「だろうな」
「それなら置かない方が賢明だと思います。ここは浅黄さんの家なんですし」

洗面所の壁に肩を寄り掛けて、浅黄さんは腕を組んだ。何かを考えている。

「ここ、君の家でもあるだろ」

そう言われて、ああそうだったと思った。今はそうだった。

「言い方が良くなかったです。片方が全く使わない家電を置いておくのは勿体無いので、必要ありません」