住めば都、という言葉がある。
二週間ほどでわたしの生活リズムは驚くほど整った。
浅黄さんがあまり帰って来ないから、ほぼ一人暮らしと同じ。たまに顔を合わせると、少し話す。なんかあれだ、同居人という感じ。
都ほどではないけれど、睡眠の質が本当に良くなった気もする。いや、緊張感がまだあるから、寝落ちすることがないだけだからかもしれない。
ピ、ピ、ピ、と電子音が聞こえる。目の前で眠る人の手を握る。体温はあるけれど、握り返されない。
ただずっと、眠っている。
「……お兄ちゃん」
呼びかけても、返事はない。



