生簀の恋は青い空を知っているか。


外に出ると、少し湿った匂い。夕方には雨が降るそうだ。

「いつもの定食屋さんで良い?」
「エレベーター乗ってた時からそこで何食べるか考えてました」
「抜かりないねえ……」
「最中さんってどんな人なんですか?」

飛んだ話題に、わたしはどういう顔をして良いのか分からない。
どんな人って、それはこっちが聞きたい。

正面玄関を出て大通りを行き、ひとつ細い道に入る。
そこにわたしたちがよく入る定食屋さんがあった。

幸い他部署の子もおらず、お昼少し前だからか空いている。

「俺は塩鯖で」
「本当に決めてたんだ」

わたしはいつもメニューを開いて迷ってしまう。