わたしに宛がわれた部屋には布団とテーブル、本棚が届いていた。
一人暮らしのときはベッドだったから、新品の羽毛布団。一番に開けて、一番に寝転んだ。
知らない天井が広がっている。今日からここでわたしは暮らすのか。
「……浅黄さん」
リビングでノートPCを開いている浅黄さんに声をかける。
「ん」と声だけ返ってきた。
「わたし、家族以外の誰かと生活するのって初めてなんです」
「ん」
「何か、ありますか」
「……なにか? 感想?」
「いえ、暮らしていくうえでの決まり事です。これには触らないでほしいとか、物を置かないでほしいとか、冷蔵庫の中身とか」



