生簀の恋は青い空を知っているか。


まさか、ずっと待ってたのかな。

ふと浅黄さんを見る。あの日言われた『ずっと待ってた』を信じているわけではないけれど。

「なに」
「うちに挨拶に来たんですか?」
「ああ、一応。一緒に住むから言っておこうと」
「……わたし、浅黄さんの家に何も挨拶とか行ってないです」
「今イギリスにいる」

い、イギリス……。今って寒いのかな、いや日本と同じくらいの気候?

「とりあえず君の引っ越しが終わって落ち着いたらで」

提案されたそれに乗る。引っ越しも考えるだけ気が重いのに、挨拶とか逃げ出したくなってしまう。