組織図の中で、わたしのいる場所は一番人の少ない総務部だ。それ故に一人の仕事量が多い。

柴舟が借金を背負った後も、それは何も変わらない。

「先輩は結婚したら仕事辞めるんですか?」

後輩の五色くんが突然尋ねてくるので驚いた。入り口に立っていた営業部のお局がその言葉にぱっとこちらを見る。

「な、急に」
「なんかお見合いが上手くいったって噂を耳にしましたけど」
「一体どこから……」

皆どこから情報を入手してるのか。

「柴舟さん」

お局がいつの間にか近くに来ていた。
はい、とそちらを見る。