理美は人を嫌うのが苦手だ。わたしはそれを知っていたし、分かっていたのに、そうさせてしまった。 鼎に対してもそうだ。知っていて、黙っていてくれることに、甘えていた。 わたしは最低だ。 「それは、君が悪い」 浅黄さんが平坦な声で話した。 腕を引っ張られて、ソファーに座らされる。髪の毛を拭かれて、タオルを取られた。 「ちゃんと謝ったのか?」 「……謝っても許されないことをしました」 「その嘘は、誰の為に吐いた嘘なんだ」 顔を見ることができず、ワイシャツのボタンあたりをぼんやりと見る。