溜息が聞こえる。わたしだって吐きたい。 「そんな気にするなよ、俺だって良い人間なわけじゃない」 「浅黄さんは優秀じゃないですか。それ以上に何かいります?」 「松葉以外にいらない」 止まった涙が溢れて零れた。どうして、そうやって浅黄さんは。 「なんでまた泣くんだよ……」 「だって浅黄さんが」 「俺が何をしたんだ」 ティッシュを目に当てる。 「ずるいんだもん……!」 更に大きな溜息を吐かれた。 埒が明かないと踏んだらしい浅黄さんに引きずられるようにして車を出て、エレベーターに乗る。