いちおう家を出るときは報告しようと思い、リビングでPCと向き合っている浅黄さんに声をかける。
「洗濯機買いに行ってきます」
通話中だったので返事はないだろうと踏んで、すぐにリビングを出る予定だった。
「おい待て、十分、いや五分。……こっちの話だ」
「え」
「良いからここで待ってろ」
示されたソファー。わたしは素直にそこへ戻るべきか考えて、逡巡する。
動かないわたしを見て、浅黄さんがぽんぽんとそこを叩く。
へそを曲げているわたしは、それに従うのを拒んでその場で立っていた。
浅黄さんが何分かでその通話を終えて、PCを閉じる。



