「君のそのあやふやな気遣いは誰の為なんだよ」
忌憚なしの言葉に、思わぬところからぐさりと刺される。
「自分の為だろ」
そしてトドメも。
わたしのこと、嫌いなんだなこの人。
ちら、と浅黄さんの顔を見る。同じように浅黄さんもこちらを見ていた。
サンテグジュペリの言葉をふと思い出す。『愛とはお互いに見つめ合うことではなく』という言葉を。
わたしはもう反論をすることはなかった。確かにその通りだと思ったからだ。
自分の為にその関係をはっきりさせることを嫌がっている。そんなことを言ったところで、わたしは明日からも仕事へ行く限り五色くんとは顔を合わせるのだ。



