生簀の恋は青い空を知っているか。


なんだかんだ、この人は組織に所属する人間で。
わたしのことは別に好きじゃなくて。
何故か、色んなことをよく知っていて。

「君はいちおう、柴舟の存続のために嫁に出されたわけだけど」
「いちおうじゃなくて、絶対です」
「その君がそれを望むなら、俺ができないわけでもない」

すこし、怖い人だ。

そんなことを真面目に思う。
首を振った。

「望みません。というか、わたしは自分が働く以外に、柴舟をどうこうしたいとかはないです。そういう器じゃないので」
「オーストラリアに行ってる兄さんは一度トップに就任しただろ」