焦点も合う。何が起こっているのか理解して、飛び起きた。 「な、な、な!」 「寝起きの語彙力の乏しさな」 「なんで、ここに」 ミネラルウォーターが差し出される。躊躇わずそれを受け取り、喉に流し込む。 浅黄さんは昨日の格好のまま、ジャケットを脱いでネクタイが外れていた。 眠っていないようで、酷く疲れた顔をしている。 「なんでここにいるんですか?」 わたしのベッドの上で胡座をかき、膝の上で頬杖をついてこちらを見下ろしていた。 浅黄さんは少し伸びをして、欠伸を噛み殺す。