「この子、私の親友なんですけど、富山さんの大ファンで。一緒に写真撮っても構いませんか?」
「ぜひぜひ」
え、と鼎を見れば目配せされた。わたしは富山さん単独の写真が欲しかっただけなんですけど……!
鼎は小さい鞄からスマホを取り出し、カメラ係になるらしい。助けを求めるように理美ときーくんの腕を取った。
「折角だから友達も一緒に」
「ええ、何枚でも」
笑って言ってくれた。優しい、そして格好良い。
いつもテレビの中で観るその人が目の前で話していると考えると、本当に現実味がない。
写真撮影を終えると、一人ずつ握手をしてくれた。



