あんな風に笑って話すこともあるんだな、と感心すらしてしまう。流石にロボットだとか冷徹人間だとは思っていなかったけれど、ああいう人間味のあるところを見ると、不思議な気持ちになる。

もやっとした心の翳りからは目を逸らした。

「松葉ちゃん、富山さんこっち来るよ」

急に後ろから飛び出した鼎が教えてくれる。え、とその方向を向けば確かに富山さんがこちらに。

「誕生日おめでとうございます、鼎さん」
「どうもありがとうございます」

勿論、鼎に挨拶をするために来たに過ぎない。

にこにこと笑顔を貼り付けたまま鼎がわたしと腕を組む。