言いながら会場に入ると、やっと中学のときの友人数人と再会した。遠くで、たぶん仕事関係の年配の方と挨拶をする鼎の姿が見えた。

「あ、きーくんだ」

理美の声に、わたしもそちらを向く。就活用のスーツを着て、居心地悪そうに入ってくるきーくんが居た。

きーくんも理美の声に気付いたようで、少し安堵した顔を見せながらこちらに近付いてくる。

「こんばんは、お久しぶりです」
「久しぶり、元気だった? 鼎がバイト戦士だって言ってた」
「はい、最近良い顔されないです」

あの鼎がむくれる顔を見てみたい。きーくんはちょっと照れている。