夏休み初めの時、俺は彼女ができた。初めての彼女だったからとても嬉しかった。
だが、楽しいはずの時間も、一瞬で終わった。

夏休み10日目
「海だー!私ね、海来たことないの!」
「そうなのか?じゃあ……良かったな!」
「うん!」
俺は彼女を連れて海に来た。波しぶきが彼女をもっと綺麗にしていた。
彼女が飲み物を買いに行った時だった。彼女を睨みつけるような目で見ている女の姿を見たのは。
その女が俺に気づいた瞬間、ニッコリと微笑み、どこかへ消えてしまった。
……

夏休み20日目
彼女と連絡がつかなくなった。何かあったのか……?

夏休み21日目
散歩している時に彼女を見た気がした。でも服装がいつもと違うかったので、俺は散歩を続けた。
「和磨さん!」
誰かが俺を呼んだ。声のする方を見てみると、そこにはあの女がいた。
「誰だよ……ってかなんで名前知ってるんだ!」
「覚えてないんですね……私ですよ私。美由紀ですよ」
「美由紀……?あぁ!」
「思い出して頂けましたか!先輩!」
美由紀は剣道部の後輩である。