手紙を彩る、トワイライトブルーの水彩模様。
これは私の、真っ赤になりきれない、恋の色。
たとえ夜明けを待つだけで終わったとしても、かまわない。
私はそれでも届けたい。
「う、受け取って……もらえません、か……?」
絞り出した声は、あまりにも拙くて、ちっぽけだ。
せめて今だけでも、と必死に堪えてる大粒は、下まつげに乗っかったまま揺れている。
カチューシャの赤すら、褪せていく。
「……ごめん」
手の震えが、止まった。
ごめん。
その一言が何度も何度も耳の奥で再生されて、我慢してた涙が頬を濡らした。
あぁ、ダメだった。
直接でもダメなら、きっと何をやってもダメなんだろうな。
私の恋は、受け取ってもらえないんだ。
痛い。
胸に何千ものトゲが刺さって、抜けなくて。
激通が骨の髄にまで轟いて、もうどうしようもない。
もう無理だ。
これ以上何も言えないし、できない。
ことはセンパイの前にいることさえも、苦しい。
逃げてしまおうと、右足を後ろにずらした。
「ごめんな」
追い討ちをかけるように、ひどくぬるい声音が堕ちた。
やめて。やめてください。
……もう、やめて。



