派遣から1週間が経つ。
ハクに、一緒に時期王様を探すお手伝いをするよ!と言われて、強い味方がついてくれたけれど、中々見つからない。

毎日ハクといろんな所に行ったが、それでも一向に見つからない。もはや見つかる気がしなくなってきた。

朝から夕方まで、探しに王宮を散策したりした。


そのあとはいつも朝が明けるまで起きていることもあった。

ハクに勧められた本がとても気に入って夜更かしはしょっちゅう。


8日目の朝。


美麗
「ねぇハク、時期王様は見つかるかしら?諦めるのは一番嫌だからまた明日も頑張って探さなくっちゃ、今日はどこを探そう?」

ハク
「んー、どうやら今は体調を崩しているときいたんだ。今はそっとしておいた方がいいと思う。それに美麗も休んだ方がいい。顔色が悪いよ?」


美麗
「体調を崩しているの?大丈夫かしら....。何もできないのが心苦しくてしかたないわ....」

ハク
「美麗は優しいね。今日は外の天気も荒れているし、部屋でゆっくり休むといいよ。」

美麗
「こんなに天気が悪いのは久々ね...」


なんだかとても風が強い。あんまり荒れないといいんだけれど...


ゴゴゴゴ〜ビューーーーンガシャガシャガタン!

ハク
「今日はもしかしたら台風かもしれないね。美麗大丈夫?」

美麗
「うん...ねぇハク、今日は夕方まで部屋にいてもいいかな?」

ハク
「構わないけど、少し横になって休んだ方がいいよ。本当に今日は顔色が悪いし、体調も良くなさそうだ。ちょっと待ってて、すぐ医師を呼んで来るから」

ビューーーーンゴゴゴゴ!!!!


美麗
「ハク.....!!!平気だから、だから行かないで。」

本当に行って欲しくない...


あの日がフラッシュバックする

ハク
「大丈夫、すぐ戻るよ。」


ゴゴゴゴ!!!

ゴロゴロゴロゴロ!!!!!


美麗
「.....ぃや....お願い、いかな...」


ドーーーーーーーーーーン!!!!!!

「キャーーー!!!イヤ!ハク!!」

突然の大きな雷が鳴った。

怖くてハクに抱きついた。体の震えが止まらない。


ハク
「美麗!??側にいるから、大丈夫、絶対に離れたりしないよ。落ち着くまで側にいるから。」

ゴゴゴゴ、ゴロゴロ!

美麗
「ヒック、う、ハク...」

唯一苦手なのが雷、嵐だ。


幼いながらの記憶、トラウマ。

泣き続けた日をまだ鮮明に覚えてる。

生まれて間もない記憶は恐怖の体験だった。

中々そういう記憶は忘れることが出来ない。