蓮side
雫には何かある、感じたんだ
逃がさねぇ
だから、雫に白狐の姫になれと言った
朔は驚き、春也は少し眉を寄せてる

「こうなりましたか」
「ねえマジ!?アイツを姫にするの!?」
「…蓮」

戸惑ってる紫音

「あの人を…姫にするのか?」
「ああ」
「神凪と今井は別人って言ってるけど。
本当に違ってたら、姉さんは?」
「…」

紫音の言いたい事は分かってる
あの事件後、幼馴染がいなくなり、寂しさと悔しさで探してた
中学で白狐に入り、自然と女が寄ってくる
寂しさを紛らわそうと付き合おうとした女もいたが
そんな時、脳裏に浮かぶのが…栞
アイツなら、どんな風に笑う?
どんな風に、微笑んでくれる?
もし、栞が俺以外の男と付き合ってたら…そんなのは耐えられねぇ
想像上の男に怒りを向ける程
いつの間にか栞を、ただの幼馴染じゃなく、女として見てる
俺は、栞が好きなんだ
紫音は

『…見てれば分かるよ。姉さんを幸せに出来るのはきっと蓮だ
蓮になら任せられる
だから、諦めないで…姉さんを見つけよ』

何があっても俺の気持ちは変わらない
雫は、栞と繋がってる
そう…感じたんだ

「アイツには何かある」
「そう、だね。それは俺も感じた」
「蓮と紫音がそう言うのなら…」
「…」
「「きっと栞(姉さん)と繋がってる」」