今までの栞を思い出す
神凪 雫として出会った時は何をしても無関心で、俺と関わろうとしなかった
紫音と仲良くしてるのを見て、モヤモヤして…イライラした
白狐の旅行で絡まれた時や、服を捲った時に見た体の傷
何でそんなに傷だらけなんだと思ったが気持ち悪いなんて、一瞬も考えなかった
記憶を消される時も『蓮の為に』って俺を想ってくれた
その後、白狐の姫として俺の側にいるって言ってくれた時は…かなり嬉しかった
そしてあの日、俺を庇い怪我をした時…栞だと気付いた
和士さんと紫音から話を聞いて、傷痕を見られて不安になる栞を見て…改めて思った

俺が栞を護る
俺自身に誓ったんだ、もう離さないって

「蓮」
「兄貴…」
「自分自身に誓ったんだろ。
栞に会えてからも、傷を、過去を聞いても…それは変わらねぇんだろ」
「ああ」
「つまり、栞を受け入れてるって事だ」
「…兄貴」
「ボサッとしてねぇで、さっさと栞を連れ戻せ」
「ああ…分かってるよ!」