紫音side
体がフワッと風に包まれ

「はい、着いた」

目を開ければ、そこは見知らぬ部屋
ここが桜井組の姉さんの部屋
キョロキョロ部屋を見てると
姉さんはクローゼットから黒いローブを取り出し、制服の上から羽織る

「制服じゃダメなの?」
「ダメ」
「俺、制服なんだけど…」
「紫音は大丈夫、ソレ(ネックレス)を付けてれば。
私は素顔を見られる訳にはいかないから」
「どういう事?」
「私は影の存在だから。それに、コレがここでのスタイル」
「影?」
「これから楼に会うけど、楼が『いい』って言うまでは、
フードは取らないし口調も仕草も変わるから」
「分かった」
「じゃ…」

姉さんがフードを被る

「行こうか」