「嘘つくの、自分が苦しいだけじゃん。素直が1番♪」


自分が苦しいだけ…かぁ。


なんかやだな。


まるで自分の考えを全部否定されたみたいで。


素直が1番?


だったら私、成瀬くんの事好きって言ったら、楽になる?


…なわけ、ないよ。


「そんな、簡単に言わないで…」


「えっ、」


あ、ちょっときつい言い方になっちゃった…


「ご、ごめん、でも、そんな簡単じゃないよって、そう思うよ…」


「…そっか、ごめん、」


申し訳なさそうに眉を下げた成瀬くん。


そんな顔させたかったわけじゃないよ、


「と、とりあえず帰ろ!」


なんだか微妙な感じが嫌で、とりあえず帰ることを提案した。


「送ってくよ。帰ろ。」


「え、いや、いいよそんなの!1人で帰れるよ!」


と、いうか、やめてほしい。


そんな、カレカノみたいなこと…


ほんとに勘違いしちゃうから…!!!


「いいからいいから!ほら、帰ろ。」


「え、や、待って成瀬くん、ほんとに…」


「劇疲れたでしょ。だから、送る」


「…ありがと、じゃあ、おねがいします。」


こうして私は成瀬くんと一緒に帰ることになった。