「じゃあ、体育館集合だから!なるべく早く来てね〜」


それだけ残して実行委員は消えていった。


「瀬戸川ちゃん、一緒に行こ?」


「あ、成瀬くん。」


「はい。成瀬くんです。」


ふふっと笑った成瀬くんはやっぱりかっこいい。


…き、きらいだけど!!!


「うん、行こ。」


「うん。」


「成瀬くんって、なんかゆるゆるだよね?なんてゆーか…ふわふわしてるっていうか?」


「はははっ、それ、よく言われる〜」


「やっぱり。」


「俺、ふわふわしてんの?どこら辺が〜?」


「なんか、語尾の伸ばし方とか?笑顔とか。」


「うーん、そういえば俺瀬戸川ちゃんが笑ったの見たことないんだけど?」


「うん?そっかー、そうかもね?」


「なんか、ニコってのは見たことあるけど。笑ってみてよ」


え、なに急に!?!


「や、今!?何も面白いことないのに笑ってみてなんて言われても…」


「えー」


「ってゆーか、成瀬くん…!!!練習始まっちゃうよ!早く行こ!!」


「あ、ほんとだ。ん、行こ。」


実行委員を待たせるのは悪いと思ったので、成瀬くんと一緒に廊下を全力で走った。