「梨花ぁー…」


目をギラギラと光らせる梨花を見て、嫌な予感しかしない。


ぁああ!!逃げ出したい…!!!


脱走を試みてドアを開けようとしたら素早く梨花が来て、手を掴まれてずるずると戻された。


「で!で!陽茉莉!朝の電話何!!何があったの!!」


興奮気味の梨花。


「まって梨花。怖いよ、や、あのね?ちょっと朝のは気の迷いというか…なんというか。」


そんな梨花に対してしどろもどろに答える私。


「ふぅん?気の迷いねぇ?どーだか?笑」


「どーだか?って何よー笑」


「別にさぁ、いいんじゃないかなって思うんだけど。」


「何が〜?」


…分かってるけど。


なにが、なんて。


「…私が言うこと分かってるくせに。ま、あえて言うけど、成瀬くんのこと、無理に嫌いって言わなくても、いいじゃんって。」


…やっぱり、そう言うと思ってた。笑


「なんで急にそんなこと言うの〜?や、前から言ってたけど笑なんで梨花は成瀬くんのこと、諦めなくていいって言うの?」


梨花は、私に何回も言ってきてる。


『 べつに無理に嫌いって言わなくてもいいんじゃないかな。』


って。