次の日学校に行くと、いつもはHRギリギリに来ている成瀬くんが既に自分の席に座っていた。


…挨拶くらいした方がいいよね。


隣なんだし。


「…成瀬くん、おはよ…」


成瀬くんは私の声を聞いて1度驚いたように目を見開いた。


なんで驚いてるわけ?


「…瀬戸川ちゃんが、…挨拶してくれた…」


何故か意味のわからないことで驚いている成瀬くん。


「私だって、挨拶くらいできるんだけど…?」


「俺、瀬戸川ちゃんに嫌われてると思ってたからうれし。ありがと。あと、おはよ。」


「別に…嫌いだって挨拶くらいするよね…?」


って、これじゃあ私が成瀬くんのこと、嫌いって言ってるようなもんじゃん…!


いや、ちがう、いいの!そうだよ。嫌いだもん。成瀬くんなんて、大っ嫌いだもん。


「はははっ瀬戸川ちゃんってツンデレ?」


「は」


「おもしれぇ瀬戸川ちゃん、嫌いでも挨拶するでしょってさっすが!嫌味の達人〜はははっ」


「ねえ成瀬くん、私の事ディスってるでしょ。」


「褒めてんだって〜面白いねって。」


「全然嬉しくないんですけど。」