こんなに私への気持ちを伝えてくれる人は、もう二度と現れないかもしれない。
そう感じたのに。高木君ときたら、急に弱気になったのか「でもさ、ただ岩永さんと一緒に居たいからって理由だけで、コンビ解消することをゴネたとか。岩永さんに知られたら嫌われるかな。とか思ったし……」と小声で呟いたのだ。
仕事中の私に、ひとりの男として見られていないと感じていた高木君は。何度も心が折れそうになったと教えてくれた。
確かに。長年、仕事に私情は持ち込まない、と固く心に決めていたのは事実。
それは、さっき不安に思った通り。二人の仲が上手くいっている時はいいのだ。けれど、もしも喧嘩したり別れてしまったりした後。何事も無かったように仕事が出来る自信がなかったから、私は社内恋愛や仕事関係者との恋愛は避けてきたのだ。
「そんなこと考えてたの?」
「そうよ」
「先のことまで考え過ぎなんだよ」
だって、仕事なら先の先を読むことも大切でしょ。と反論しかけた私は、高木君に抱きしめられ。流れるように唇が重ねられた。
「レンアイは仕事じゃないよ?」
仕事と同じに考えてどうするのだ、と笑う高木君は私の頭に手を乗せた。
今度は払い除けることなど出来ず、ただ高木君を見つめてしまう。



