高木君の気持ちを知り、思わず眠る高木君の髪に触れ。そっと頭を撫でてしまった。そのせいで高木君は眠りから覚め、顔を上げると私の頬に手を当て、熱が下がったことを確認すると。ホッとした表情を私に向けた。


「あんまり心配させないで」

「ごめ……ん。でも、どうして私の家が分かったの?」

「あの後、岩永さんと同期の先輩に電話して、住所聞いた」

「新しい契約店舗も、独りで取れたんだね。凄いじゃない」

「そうだよ。年下だから頼りないとか、勝手に決めつけるな。俺だってやればできるんだから」


 少し偉そうに話す高木君の鼻をギュッと摘まみ「明日、上司に話すね。高木君を独り立ちさせてほしいって。もう一人でも大丈夫だからって」と、思いのほか声のトーンが感情に乗り、少々低めになってしまった。


「あぁ、それなら必要ないよ」


 どうやら高木君は、私の元から独り立ちしてもいいのではないか、と。既に上司から打診されていたらしい。
 けれど、もう少し私の元で学びたいことがあるから、と無理を言い。私と一緒に仕事をしていたことを教えてくれた。


「知らなかった」

「うん、言ってないから」

「どうして言ってくれなかったの?」

「そりゃあ、岩永さんともっと一緒に居たかったから」