どうやって家まで帰って来たのか、正直記憶が飛んでいる。
 気づいた時には、外は暗く。ベッドの中で高木君の言葉を否定した自分を責めていた。と同時に、熱が上がっているみたい。
火照った頬は、掌で感じるだけでも熱くて。なんだか身体が怠いし、全身が重く感じる。

 せめて明日までに熱を下げなくては、と立ち上がり冷蔵庫へ向かう。
 何か冷たいものを飲もうと、冷蔵庫の扉に手を掛けた時。玄関のチャイムが鳴った。

 壁掛け時計は、二十時を過ぎている。こんな時間に誰だろう、と覗き穴から外の様子を窺う。


「高木君?」


 どうして高木君が居るの? どうして私の家を知っているの? くだらない疑問ばかりが浮かびながらも、慌てて玄関のドアを開けた。


「差し入れ持って来た。直帰した分、今日片付けるべき仕事を、家でやってるんじゃないかと思ったんだ」


 高木君の顔を見るなり、安心してしまったのか。私はその場に座り込んでしまった。
 訪問早々、力なく座り込んだ私を見た高木君は、慌てたように私に手を伸ばし、私の身体を支えてくれた。

 空いている手を私の額に当てた高木君は「熱、上がってるじゃん」と呟くと。
 そのまま私を抱き上げ、靴を脱ぎ部屋に上がった。


「ちょっ……なにするのよ」