浮かび上がったり沈んだり、なんだか私の心の中を表現しているみたい。


「俺が社会人として、早く仕事を覚えて成長したいと思ったのも、強くなりたいと思ったのも。岩永さんが傍に居てくれたからだ」

「……私」

「ん?」

「年下なんて好きにならないと思ってた。今でも、仕事中に私情を持ち込むとか、あり得ないと思ってるし。同じ職場で付き合うとか経験ないから、周囲に気付かれずに隠し通せるか不安だし……」


 吐き出した気持ちは、嘘偽りない言葉だ。
そんな不安を抱えた私が、まともに仕事が出来るだろうか。
 もしも高木君と喧嘩したり、別れた時は?

 職場に居られないどころか、会社自体を辞めたくなるんじゃないかと思ってしまう。


「先のことまで考えることないだろ。お互い好きだと確認できたんだから、今は一緒に居られる時間を楽しむべきだよ」

「違う。そうじゃない。それじゃ……ダメ」


 ガタッと席を立ち、外へ飛び出した。
ゆっくりと流れていた時間から現実に戻るみたいに、人の流れが早く感じ。逆らうように駆けだしていた。

 今の私の頭では、処理能力不足で。
 未来を想像していないであろう高木君と、その未来に不安を感じている私との、見えない距離感に。
 どう対処したら正解なのかが分からない。