その日の昼、私は義昭に最後の授業をする。…江戸時代以降も説明しなきゃならないかもしれないが。

「…最後は江戸時代。江戸幕府の初代将軍は、徳川家康。三河――愛知県の戦国大名で関ヶ原の戦いで勝利して全国支配の実権を握ったんだ。関ヶ原の戦いは、徳川家康と石田三成の戦いで、全国の大名も両軍に分かれて争ったので天下分け目の戦いとも言われている」

「1603年、徳川家康が征夷大将軍に任命されてから1867年に15代将軍の徳川慶喜が大政奉還するまで江戸時代が続いたんだ」

「まずは、譜代大名と外様大名。譜代大名とは、関ヶ原の戦い以前から徳川氏に従っていた大名のこと。外様大名とは、関ヶ原の戦い前後から徳川氏に従った大名のことだよ」

「…なぁ、大名って何だ?」

義昭は、何も分かりませんと言いたげな目を私に向ける。義昭が歴史について質問してくるなんて何か感動!私は早速解説する!

「大名っていうのは、江戸時代、将軍と主従関係を結び一万石以上の領地を与えられた武士のことだよ…で、江戸幕府が大名を統制するために定めた法律が武家諸法度。1615年、徳川家康が2代将軍秀忠の名で出したのが最初なんだ。他に参勤交代とか作ったね」