「次は豊臣秀吉。豊臣秀吉は、全国統一を成し遂げた安土・桃山時代の武将なんだ。織田信長に仕え、本能寺の変の後明智光秀を破り、ついでに信長の有力家臣であった柴田勝家を滅ぼして信長の後継者としての地位を確立したんだ。大坂城を築いて関白・太政大臣になった」

「豊臣秀吉は、太閤検地や刀狩、兵農分離を始めたんだ。太閤検地は、統一した基準で全国的に行った検地なんだ。ものさしとますを統一し、村ごとに田畑・屋敷地の広さなどを調べてその生産量を石高――米の量のことね。その石高で現した」

「刀狩とは、1588年に豊臣秀吉が農民や寺院から刀・弓・槍・鉄砲などの武器を取り上げること。これをすることによって一揆を防ぎ、農民の身分を明らかにして耕作に専念させたんだ」

「兵農分離とは、武士と農民をはっきりと区分すること。職業による身分が定められて住む場所も決められ、これによって近代社会の基礎が固まったんだ。豊臣秀吉は、2回も朝鮮を侵略したんだ。それを朝鮮侵略という。一回目は文禄の役、2回目は慶長の役と呼ばれている」

私は深いため息をついて頭を回転させた。これで安土・桃山時代は終わりだ。それが分かったのか、紫ちゃんは私に色紙と筆を渡す。私はそれを受け取って筆を滑らした。

「豊臣が 太閤検地 始めたよ」