「義昭(よしあき)様!」

男の子は、町から少し離れた家に入るなり叫んだ。

「天(てん)?どうした――」

部屋の中から背が高く、顔が整った、灰色の着物を着た男の子が出てきた。男の子は、私の顔を見るなり固まる。

「お前――」

男の子は、金髪の男の子に近寄ると「何で未来から人を連れてきた!?」と胸ぐらを掴んだ。

「どういうことですか?」

私はその場で固まりながら問いかける。

「……とにかく帰れ。俺はお前を養う気は無い」

「初対面の人にその言い方は何!?」

私は男の子に問い詰めるかのように近寄った。男の子は冷めた目を私に向ける。

「どうでもいい。さっさと帰れ」

クルリと背中を向けて部屋に戻ろうとする。

「義昭様!未来に帰るためにはこの子の力が必要なのです!!」

「……は?」

私と男の子は、金髪の男の子の言葉に同時に固まった。

「あの…話が読めないんですけど」

「お前、天にここに連れて来られたんだろ?」

どうやら金髪の男の子は、天くんという名前らしい。天くんは満面の笑みで私を見ていた。私は「そうですけど…」と近寄ってきた男の子を見上げる。

高い!私よりも20センチは高いよ!?私が150センチだから――この子は170センチ!?