「プロモーションを続けて、認知度を高めていかないといけないな」

 蓮斗は詩穂を降ろした。

「リリースしてそれで終わりってわけではないんですね」
「ああ。まずはウェブサイトを開設して、検索エンジン経由で集客を狙おう。関連アプリに広告を出すのも有効だ。そうしてユーザーを獲得して、顧客からフィードバックを得ながら、継続的にアップデートをするんだ。そして、少しでも使いやすいように改善していく。そうやって詩穂のアプリをこれからも盛り立てていくんだ」
「じゃあ、私も日頃からアプリを使うようにしないといけませんね」
「無理して出品する必要はないが、改善点を見つけたら教えてくれ。そうしてハンドメイド・コネクションを大切に育てていこう」

 大切に育てる。その言葉に胸がじぃんとなった。今度こそ、蒔いた種を大きく育てて、成果を実らせたい。その気持ちを新たに、詩穂はしっかりと頷いた。