蓮斗の手が詩穂の腰の辺りをくすぐり、詩穂は思わず背中を反らした。

「ひゃあっ」
「返事は?」

 蓮斗が詩穂の顔を覗き込んだ。目にほんの少しの不安をにじませている。その表情がたまらなく愛おしい。

 詩穂は口元に笑みを浮かべながら答える。

「もちろんイエスだよ」

 蓮斗がふーっと息を吐き出した。

「返事がないから迷ってるのかと不安になったよ」
「ずっとそばにいたいと思ってたから、嬉しくて……ちょっと浸ってた」

 蓮斗が詩穂の体をギュッと抱きしめた。

「無自覚に焦らすのはやめてくれ。詩穂のことになると、俺は余裕がなくなるんだから」

 蓮斗にそこまで想われているなんて……幸せすぎる。

 詩穂は右手で蓮斗の頬に触れ、首を伸ばして、想いを込めて彼にキスをした。その瞬間、蓮斗が目を見開く。

「今ので俺の自制心が完全に吹っ飛んだ」
「えーっ!」

 蓮斗が詩穂の両手をシーツに押しつけ、彼女に覆い被さる。

「大丈夫、今日は土曜日だ。一日は長い」

 軽く触れた唇が、すぐに熱いキスへと変わる。ベッドで過ごす時間が一番長くなりそうなのは、間違いない。