独占溺愛~クールな社長に求愛されています~

 蓮斗は一度頷き、右手を軽く挙げてオフィスの中に戻っていった。



 蓮斗の車の中で待つこと十五分。スチールドアが開いて、蓮斗が駐車場に入ってくるのが見えた。彼は急ぎ足で車に近づく。

「待たせてごめん」

 運転席のドアを開けて彼が言った。

「待つのはいいけど……仕事はもういいの?」
「ああ。優秀な事務アシスタントさんがいるから、仕事がはかどるんだ」

 蓮斗が言いながら運転席に座った。

「そ、そうかな。そう言ってもらえると嬉しいけど」

 詩穂は照れながらシートベルトを締めた。

「晩飯だけど、今から料理をするのは面倒だろ? どこかに食べに行く?」

 蓮斗がシートベルトを引き出しながら言った。

「それもいいけど、今日は金曜日だし、デパ地下でお総菜やワインを買うのはどうかな?」
「うち飲みか。いいな」
「じゃ、決定」

 蓮斗が車をスタートさせた。地下駐車場から出て、大通りを南下する。途中でデパートに寄って、ふたりで地下の食品売り場に向かった。夕食の時間は過ぎているが、まだ人が多く、詩穂と蓮斗は人の間を縫うようにしてショーケースを見て回る。