「帰るよ」
「待ってよ」
「鍵頼むな、じゃあ」
「優真……」
優真は塾から帰ってから部屋のベッドに横になっていた
上から泉が顔を出してくる
「ねえ、優真」
「ん?」
「楓のこともう嫌いになった?」
「いや、別に……」
「あんた、塾の女の子と腕組んでたんでしょ?」
「お前、何言ってんだよ」
何で泉まで知ってるんだ
「この間の楓が体調悪くなった時にあんたの後に私給食持って保健室いったんだよね、そしたら布団被って大泣きしててね」
「泣いてた?しばらく頭冷やそうとは言ったけど」
「すっごいボロボロ泣いててかわいそうだった、私が教室に戻った後も泣いてたんじゃないかな、二学期から元気なかったし、痩せてきてるなとは思ってたんだけど、やっと話してくれて……」
泉はベッドから下りて椅子に座る
「なんで、その日に言わなかった?」
「楓に言わないでって口止めされててね、私と優真がケンカするからって……」
「……」
「確かに楓の話を聞いたら優真何してんのよってその日に言ってると思う」
「向こうがひっついてきて腕組むんだよ」
「楓はね、その子にヤキモチ妬いてたのもあるけど自分にすごくコンプレックスもってるのよ、あの子はね」
「コンプレックス?」
「そう、自分も腕組んでなんて歩いたことないって言ってたし、胸も当たってて、美人だったって、自分が子供体型なのをすごく気にしてるんだよね、男子にはわからない悩みかもしれないけどさ」
「そんなの……体で選んでないから楓と付き合ってるんだろ?」
「それは私も言ったけど、実際優真は胸とか当たってどう思った?何も考えなかったって言える?」
「それは……」
「それでもちゃんとメールとか電話してればここまでにならなかったんじゃないの?楓は優しい子だよ、ずっと我慢してたんだよ、私に優真の愚痴とか何も言わずにさ、体調崩すまでね」
「本当に俺のこと何も言ってなかった?」
「うん、自分に魅力がないからだって、私は優真が完全に悪いと思ってるけどね、でも楓がケンカしないでって言うから穏やかに話してるけどちょっと自分がモテるからって調子乗りすぎ、たった一言言えば楓も優真のこと信じて待てたのに……私でもあんなに泣いたことないよ、限界だったんだね」



