外へ出て少し歩いたところのベンチに座っている彼の姿。

「何、授業中なんだけど」

声をかければ振り返る。その姿はどこか、知っているような。そうだ、あの人と同じじゃないか。そう思うと、心に重りがついたかのように沈む。
「たまにはいいじゃん」
「神代くんはいつもいないじゃない」
あちゃー、バレてた?と楽しそうに笑った。

「来栖さんもたまには息抜きが必要だよ」
「今するべきこと気じゃないわ」





「ねぇ、なんで、付き合ってみるとか言ったの?」