一番後ろの窓際の席。そこは誰も隣はいなくて、孤立した席。外を見れば桜が役目を終え葉桜となりつつある。


ただ眠たくなるだけの、何の役にも立たない授業。神代くんの席を見ればそこには誰もいない。

「眠い…」


_______________コンッ。


窓になにか当たる。窓から下を見れば手を振る金色。手に持っているものは…紙飛行機のようだ。きっと2階のこの教室まで飛ばしたのだろう。器用なことだ。

『なに』

口パクで伝える。相手側から見えているのかはわからない。だけど、手招きをしたから見えているのだろう。


「先生、頭痛いので保健室行ってきます」
「え、えぇ。一人で大丈夫?」
「はい」

そう言って閉鎖的空間から出る。その直前に耳に届いた声を聞かぬ振りして。





_______________どうせサボりじゃん。そのまま一生帰ってこなければいいのに。